Interview インタビュー


創業1988年、ゴルフ界のシュバリエを目指して。

インタビュー/八重洲ライフ株式会社・八重洲ゴルフライフ 代表 松本信義

八重洲ゴルフライフができた経緯を教えてください。

創業は1988年です。当初は八重洲ライフとして、広範囲のファイナンシャルプランニングを行っていました。ワンルームマンションがブームの時期で、アパートとは異なる新しい住まいの形を付加価値とした投資商品等、不動産をメインにご提案していました。お客様の資産、年収のすべてを把握し、プランを建てるのですが、その際ゴルフ会員権に関するご相談を受けることも度々ありました。それをきっかけに、ゴルフ会員権も扱うようになり今に至ります。
振り返ってみますと、不動産やゴルフ会員権に関する知識は、知り合いの会社で色々と勉強させてもらって覚えていきました。学生の頃から、ファイナンシャルプランナーの会社を自分で作ろうと思っていたので、卒業後も就職することはありませんでしたが、多くの方にお世話になってきました。

大学では、何を学ばれていたのですか?

実家が神社の管理をしていることもあって国学院大学の文学部に進学、神職を目指し宗教学や神道学を学び、「明階」という最高位の階位を取得しました。神職として奉職するためには、事業として成立している神社に入らなければならない。そこには、当然年功序列も存在しますし、ある意味、会社ですよね。自分で何かをやりたいという気持ちが強かったのですね。別の道を選びました。
学生時代は、完全歩合制の営業やホテルオークラでのアルバイトばかりしていました。オークラは、当時世界のベスト3に入るようなホテルで、高い時給にひかれた点もありますが、そうした場所で働くことにも興味がありました。小野正吉さんが当時総料理長を務めていて、厨房の真ん中に、彼の部屋があってその回りに、肉や魚をさばくところ、オードブルを作るところ、ドレッシング作るところ、ありとあらゆるセクションがありました。その中のスープのセクションで、シェフと一緒になってコンソメをメインに作っていました。牛骨やスネ肉など、最高の素材を使っていました。

現在ホテルに事務所を構えておられますが、当時感じた一流ホテルに対する憧れのようなものが影響しているのですか?

ホテルニューオータニに事務所を構えていますが、それはあるかもしれませんね。ある意味つながっているのかもしれないです。

“目の前の数字にだけとらわれることなく、常に感動を追っていきたい。”

ゴルフとの出会いを教えてください。

子供の頃から興味は持っていて、真似事をして遊んだり、テレビで試合観戦したり。「小松原三夫のゴルフ道場」というレッスン番組もよく見ていました。15年続いた長寿番組です。数年前、その番組に出ていた大古清さん(JGA)を偶然紹介してもらいまして、今では弊社の契約プロです。光栄なことに、青木功さんとも親しくさせて頂いています。
コースデビューは18才の時、ゴルフ好きの叔父が連れて行ってくれた川奈ホテルゴルフコースで、川奈が日本屈指の名門コースとも知らないでついて行きました。ボールにあてることはできたのですが、もうめちゃくちゃでした。ハーフでやめてしまい一人ホテルに戻ってました。

今は、どのぐらいのペースでゴルフはされていますか?

週末に一回コースに出ます。あとは、打ちっぱなしです。ゴルフって、アドバイスを受けたら、それを自分で反復しながら試行錯誤していくことが重要なんです。それができるのは練習場。平日の朝はほぼ毎日行っています。気づけば400球以上打っていることも。最後にいいイメージを残して終わりたいんですよね。
コースの最初の一打目もすごく重要ですね。気持ちよく打てると、次のショットにつながりますが、一打目からミスショットをすると、精神的にショックを受けて立て直すのは結構大変。これほどメンタルに影響されるスポーツもないと思います。技術的なコーチと同じようにメンタルコーチが重要と言われていますからね。そう意味でも、青木功さんは本当にすごい。メンタルトレーナーもつけず、日本でレギュラーツアーを回っていて、向こうにポンとのりこんでいって、ハワイアンオープンで優勝してしまったんですから。

ゴルフと会社経営には通じる部分があると感じますか?

もちろん、あると思います。例えば、ティーインググラウンドに立った時にアゲンストだと、風に負けちゃいけないという意識が働いて、力が入ってしまいがちですが、力むと当然いい結果はでない。逆に、フォローの場合ボールは飛ぶというイメージですが、確かにうまく風に乗ると飛距離は延びますが、乗り損なうとポンと落とされて、とんでもないことに。常に様々な外的要素から影響を受けますが、イメージにとらわれることなく、本質を見極める力が必要です。
また、スコアに振り回されてしまってもゴルフはおもしろくありません。目の前の数字にだけとらわれることなく、常に感動を追っていきたいという考え方は、経営にも通じる部分はあると思います。

“信頼関係で結ばれていくのも、大きな魅力ですね。”

いいゴルフ場というのは?

好立地、良いコース設計、信頼できる経営会社、この三拍子揃っているところは良いゴルフ場ですね。都心からのアクセス、例えば高速の出口からの距離も重要ですし、プレイ中に見える景色も重要です。歴史のあるコースには、立派な樹木が多く、歩いているだけでも気持ちいい。それと、こちらのミスを誘うような戦略や変化のあるトリッキーなコースは、こちらの意欲をかき立てる、おもしろいコースですよね。練習場の施設も重要なポイントです。クラブハウスからの距離や、ドライビングレンジ、バンカーショット、アプローチが揃っているかなど。
ゴルフ会員権を持つメリットとして、プレイフィーが安くなるという点や、クラブチャンピオン杯等、クラブ公式の試合に出場できる点がありますが、自分のお気に入りのゴルフ場やそこに集まる人たちと、信頼関係で結ばれていくのも、やはり大きな魅力です。

今後の展望をお聞かせください。

2004年9月4日にアルザスワインのシュバリエを叙任いたしました。アルザスワインの普及に貢献した功労者に贈られる称号で、シュバリエは騎士団を意味します。さらに、2015年11月26日にコマンドリー・ド・ボルドーのコマンドゥールを叙任しました。ゴルフというスポーツの魅力を普及していくという点では、ゴルフ界のシュバリエになれたらと思います。
契約プロの方もそうですが、紹介を通じて、たくさんの方にお会いできました。指揮者の小林研一郎さんや、ソプラノ歌手の中丸三千繪さんも紹介して頂き、今では、文化支援という形でサポートしています。その中で築く信頼がまた、新たな出会いを作っていくのだと考えています。

では、最後にゴルフの魅力を教えてください。

ゴルフは思いやりと気遣いのスポーツ。打つ人が集中できるように、まわりの人が気を遣うんです。でも、自分のプレイに集中しすぎで周りが見えなくなったり、ミスショットばかり続いて余裕がなることもありますよね。ほぼ丸一日一緒にいるわけですから、色々なことがあるんですよね。「その人と18年つき合うより、一緒に18ホール回った方がその人のことが分かる」という言葉もあるぐらいその人となりがでます。ですから、一緒にプレイすると相当親しくなれるのも事実です。しかも年齢は関係ない。70代80代の年配の方と回ることもあれば、極端な話小学生とも一緒に回れますし、もちろんプロとも回ることもできる。それはなぜかというとハンディキャップがあるから。力のある人はディスアドバンテージがあって、同等の立場でプレイできる。プロでも誰とでも同等の立場でプレイできるのはゴルフだけじゃないでしょうか。しかも大自然の中を悠々と一緒に歩きながら。こういうスポーツは他にないですよね。